strustrust’s diary

残したいもの

Steam 『Braid』 クリア

 

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 Braidのレビューを描くことは難しい。

 

 何故なら、数年前に一度友人宅にて結末を見た状態でこの度改めてプレイしたからだ。

 いつもは『高いゲーム性は没入感の妨げになるし、シナリオを追いたいだけならプレイ動画を見るだけでもいい』なんてことを嘯く私だが、Braidに関しては自力で遊ぶべきだと口を酸っぱくして警告したい。私は不運なことにそれを体験することが出来なかった。(良いゲームに出会えることはそれだけで幸運なことである)

 年月を経たこともあり、衝撃度はだいぶ薄れてしまっていたのだが、それでも、これをもし初見で何も知らない状態でプレイしていたら…という想像をすると怖気が立つ。

 

 ここまでの文章で遊ぶ気になった人は、今すぐこのページを閉じて遊んできて欲しい。

 クリア時間はパズルを解くペースにも左右されるが、ボリュームとしてはさほど多くはない。

 パズルの難易度は高めである。だがけして論理的に解けないつくりにはなっていない。粘り強くやれば正しい解法にたどり着けるはずだ。

 最後のやりこみ要素であるスター集めに関しては、自力でコンプするにはかなりの困難が伴うことになるだろう。流石にこれを独力で解くのは厳しいのではないかと思う。

 

 

 

 閑話休題。ゲームの内容について触れていきたいと思う。

 本作Braidが出て約9年もの歳月が過ぎた今でも、時間を操るパズルプラットフォーマーというジャンルにおいて一つのマスターピースとして君臨し続け、また、パズルの解法の独創性についてはPortalにも比肩しうる、まるで四次元空間の住人が考え出したゲームなのではないかと疑うほどの高い完成度を誇るアイディアに満ちている。

 本作の一部を切り取った仕組みを利用したパズルプラットフォーマーは存在しているが、統一された一つのルールを持つこの世界の仕組みを構築したゲームとしては、Braidはその嚆矢であると言えるのではないだろうか。

 

 瞠目に値するのは、この世界の仕組みそのものがまさに寓話的物語の骨子を担っていることであり、また、深い考察に耐えうる隠喩的舞台背景を醸し出す奥深さを持ち合わせながらも(それは小さなしこりのようなものを残し、私はそのしこりをさすりながら、物語の核心へと向かうに連れて次第に無視できない大きさへと膨らんでいく様を眺める)、根幹には極めてシンプルなおとぎ話をモチーフにした牧歌的ストーリーラインを据え、その使い古されたと思われていたマリオ的文脈を持った2Dスクロール・英雄譚というフォーマットの新たな次元を切り拓く、文字通り驚天動地の体験を味わえるプリミティブさをも有していることにある。

 

 Hotline Miami が暴力ゲームの本質を象ったアーキテクチャであるとするのならば、

Braid はパズルゲームの本質を象ったアーキテクチャであると言えるだろう。

 ナラティブなゲームデザインとして、Hotline Miami・Brothers: A Tale of Two Sonsにも次ぐの一つ新たな金字塔を打ち立てた作品である。

(95点)